いびきは治る!?いびき撃退法

2016年6月20日(月)

 

日本では約2,000万人が習慣的にいびきをかいているといわれています。実に日本人の5人に1人はいびきをかいているということになります。さらにこのうち、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は約200万人と推定され、この200万人の約90%の人が自分では睡眠時無呼吸症候群だとは気づいていないといわれています。いびきはSASや高血圧症、糖尿病、心臓病、脳卒中などの重い病気になり、中には死に至る場合もあるのです。

 

いびきと気道の関係って?

 

人間が息を吸ったり吐いたりする時に、空気の通り道になる部分を「気道」といいますが、何らかの理由によってこの気道が狭くなることがあります。気道が狭くなると、呼吸にともなって流れる空気は狭いところを通らなければいけません。このとき、通り道が狭ければ狭いほど空気抵抗が大きくなり、空気の流れが乱れて、のどの粘膜や分泌物、軟口蓋が振動することになります。この振動音がいびきの正体です。
もともと気道には、埃やごみなどの異物をブロックして体内に入らないようにするため、凹凸があったり意図的に狭くなっている部分があったりと、空気抵抗が生まれやすい構造をしています。これは大切な役割ですが、何らかの原因で気道が狭くなればすぐに空気の流れに乱れが発生していびきが出てしまうのです。

 

症状によるいびきの種類

 

1,単純いびき症

睡眠時無呼吸症候群のように、呼吸が止まることも夜中に脳が覚醒することもない。本人がぐっすりと眠れていて、翌日にも支障がないようないびきは単純いびき症。

 

2,上気道抵抗症候群

上気道が狭くなるために起こる症状。睡眠中に脳波上の覚醒反応が起こることで、昼間の激しい眠気や眠ると必ずいびきをするなどの症状がでる。脳血管障害、心臓病、糖尿病などの初期症状として起こることもあるので要注意。

 

3,睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が止まる症状が現れる。このほとんどは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群で、睡眠中に気道が塞がることで呼吸が止まる。そのため身体に大きな負担がかかり、昼間の眠気、中途覚醒、集中力の低下、起床時の頭痛が発生する。

※いびきは基本的に大人だけのものであり、子供はいびきをかきません。もし子供がいびきをかくようになったら、病気の可能性もあるため、まずは耳鼻咽喉科や小児科を受診するようにしましょう。

 

 

いびきをかきやすい人には共通点がある!?いびきの原因

 

いびきと言っても原因は人それぞれ。原因が一つの場合もあれば、いくつもの原因が重なっていびきをかいている場合もあります。しかし、いびきをかきやすい人には特徴があることも分かっています。いびきをかくいくつかの原因を見ていきましょう。

 

肥満

肥満になると、体の外にも中にも脂肪がつきます。首回りや上気道の内側に脂肪がつくことで上気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。

 

口呼吸

いびきの大きな原因の一つが口呼吸。実際いびきをかく人のほとんどが口呼吸をしているか、口を開けたまま寝ているといわれるほど、いびきと口呼吸は密接な関係があります。

 

仰向けで寝る

仰向けで寝ることで、睡眠時に舌がのどに落ち込みやすくなったり、口の奥の粘膜の柔らかい部分が重力で下がったりします。その結果、上気道が塞がって狭くなり、呼吸をした時の空気抵抗が大きくなるため、のどの粘膜の振動がましていびきをかきやすくなるのです。

 

加齢

老化することで全身の筋肉が緩んできます。そのため、上気道の筋肉も緩んで空気の通り道が狭くなり、空気抵抗が大きくなります。鼻呼吸だけでは酸素が十分に取り入れられなくなると口呼吸になり、いびきに繋がります。

 

疲労・ストレス

肉体的疲労やストレスがあると、人間の体は睡眠時に多くの酸素を取り入れようとします。そのため、普段では鼻呼吸の人も口呼吸をするようになることで、いびきの症状が出やすくなるのです。

 

アルコール

アルコールはリラックス効果があるため、飲酒すると全身の筋肉が緩みます。当然、上気道の筋肉も緩むため上気道が狭くなり、呼吸時の空気抵抗が大きくなっていびきをかきやすくなります。

 

鼻炎

鼻に何らかの疾患があると、鼻呼吸が難しくなるため、知らないうちに口呼吸をする習慣がついてしまいます。特定の季節だけいびきをかきやすい人は風邪や花粉症が原因の一つかもしれません。

 

温度・湿度

室内の温度が低かったり、乾燥したりしていると風邪をひきやすくなり、鼻腔が詰まりやすくなって鼻呼吸ができなくなります。その結果、口呼吸に繋がったり咽頭の扁桃腺が炎症を起こしたりして、いびきをかきやすくなります。

 

※いびきをかく人のほとんどが口呼吸をしています。いびきと口呼吸は密接な関連がある可能性が高いでしょう。口呼吸では空気中の細菌が容易に体内に侵入しやすくなるため、感染症にかかりやすくなる他、冷たく乾燥した空気を吸い込むことで気道組織が痛む可能性も考えられます。

 

撃退ポイント

 

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1,肥満を見直す

肥満になると首周りにも脂肪が多くつき、気道が圧迫されて狭くなり、いびきが悪化します。特に、体重が増えるにつれていびきが悪化したという人は、まず体重を減らすことから始めましょう。ダイエットにとって特に重要なのは、カロリー管理、栄養バランス、適度な運動です。運動はカロリーを消費するだけでなく、体の機能を落とさないためにも重要です。きつい運動をする必要はありませんが、いつもより少し歩く距離を伸ばしたり、歩くスピードを上げてみたりなど、運動量を増やす工夫を無理せず行いましょう。

 

2,横向きに寝る

睡眠中は喉まわりの筋肉が緩んだ状態のため、仰向けに寝ると舌の付け根が喉の奥に落ち込みやすくなり、気道を圧迫するため、いびきをかきやすくなります。空気の通り道に下で蓋をしてしまうイメージです。横向きに寝ることで舌のどちらか下になった方に片寄らせれば、上気道が確保され、呼吸がしやすく、いびきの改善に繋がります。今まで仰向けに寝ていた人が横向きで寝る習慣をつけるには、抱き枕を使うこともお勧めです。

 

3,枕の高さを調節する

いびきのかきやすさは枕の高さにも関係があります。枕が高すぎて首が曲がるような状態は、気道を塞いでいびきを悪化させます。首が曲がらないで済むような丁度よい高さの枕を選ぶ必要があります。しかし、高すぎる枕がいびきを誘発するのと同じように、低い枕がいびきを強めてしまうこともあります。どのくらいの高さが自分に合うのかを調べるのは中々難しいものです。
まずは、普段使っている枕の下に、タオルケットか厚手のバスタオルを敷きます。枕が高くなった状態で眠ってみていびきが軽減されるかどうかを確認してみましょう。
また、今使用している枕は眠っている間に変形しないかどうかも確認しましょう。枕が変形するということは、眠っている間に高さが変わることを意味します。いびき軽減のために枕を選ぶときは、眠っている間に変形しない素材を選ぶことも大切です。

 

4,いびき体操

上気道筋を鍛えることが一番ですが、残念ながら上気道を鍛えることはできません。しかし、舌の筋肉を鍛えることはできます。それには“あいうべ体操”がお勧めです。あいうべ体操とは、簡単にいうと口呼吸を鼻呼吸に変えていく体操です。

1日30セットを目安に毎日続けましょう。

 

5,飲酒を控える

アルコールはいびきの原因の一つと考えられています。アルコールによるいびきは一時的なもので、誰にでも起こる可能性があります。飲酒をしていない時にいびきをかいていなければ特に問題はありません。しかし、普段からいびきをかいている人はアルコールが原因なのかどうかが分かりづらいため、毎日飲酒をしている人は要注意です。一度アルコールを控えてみていびきをかくかチェックしてみましょう。

 

6,禁煙を心掛ける

タバコの煙を吸い込むと肺に入って肺胞と呼ばれる部分から血流に乗って全身に回ります。タバコの煙は肺だけでなく唾液に溶けることで口内や胃の粘膜からも効率よく吸収され、数秒で全身を巡ります。これを繰り返すことで気道の壁が傷つき、炎症が起きて気道が狭くなり、いびきがひどくなると言われています。特にヘビースモーカーの人は喫煙がいびきを悪化させている可能性が高いため、禁煙するか、せめて本数を少しずつ減らしていくことが必要です。

 


この記事の投稿者

mitsuyasu
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